先に結論
事業承継系の資格は、「段階」と「対象者」で選ぶと迷いません。入門はベーシック(5,500円)、標準はエキスパート(7,700円・いずれも受験資格なし)、上級は事業承継シニアエキスパートと事業承継士(講座・受講資格あり)です。M&Aによる第三者承継まで支援するなら、中小M&A資格試験(創設予定)が新しい本命になります。例外として、自社の承継を考える経営者本人に資格は不要です──必要なのは支援者を見極める知識です。
この記事の結論
- 01
事業承継資格は「入門(3級)→標準(2級)→上級(シニア・事業承継士)」の段階構造で捉える。
- 02
上級2資格は受講資格・講座受講が前提の「実務家認定型」。誰でも受けられるのは2級・3級。
- 03
親族内承継の支援が中心なら承継系資格、M&Aによる第三者承継まで扱うなら中小M&A資格試験を軸に。
- 04
経営者本人は資格を取るより、支援者の見極め(ガイドラインの知識)に時間を使うべき。
- 05
費用は5,500円〜講座数十万円まで。目的の解像度が上がるほど無駄な支出が減る。
事業承継系4資格の比較表(最終確認日:2026-08-29)
| 資格 | 段階 | 運営 | 費用(税込) | 受験・受講の条件 |
|---|---|---|---|---|
| 事業承継・M&Aベーシック(金融業務3級) | 入門 | 金融財政事情研究会 | 5,500円 | 制限なし。CBT通年・100分・四答択一50問・60点合格 |
| 事業承継・M&Aエキスパート(金融業務2級) | 標準 | 金融財政事情研究会 | 7,700円 | 制限なし。CBT通年・120分・四択30問+総合10題・70点合格 |
| 事業承継シニアエキスパート | 上級 | 金融財政事情研究会(認定) | 公式の開催案内で確認 | 養成スクール受講が前提。「事業承継実務に関する最難関資格」と位置づけられる講座セット型 |
| 事業承継士 | 上級 | 事業承継協会 | 公式サイトで確認(全30時間講座) | 士業等の国家資格保有者が原則 |
「親族内承継」と「第三者承継(M&A)」で軸が分かれる
事業承継の支援は、大きく親族内・従業員承継(税務・株式・相続の比重が高い)と、第三者承継=M&A(マッチング・企業評価・契約の比重が高い)に分かれます。承継系資格(事業承継士・シニアエキスパート)は前者まで含む広い設計、M&A系資格は後者に特化した設計です。自分の支援したい場面がどちら寄りかを決めることが、資格選びの実質的な第一歩です。両方を扱うなら、「2級で基礎→中小M&A資格試験でM&A側→必要に応じて上級講座」という段階戦略が費用対効果に優れます。
立場別の選び方
注意点・よくある失敗
- 上級資格の受講資格を確認せずに計画する(士業・実務経験等の要件があります)。
- 「事業承継の資格=相続対策の資格」と誤解する(M&Aによる承継は別の技能領域です)。
- 講座セット型の費用を講座料だけで見積もる(会員制度・更新の費用は各公式で確認)。
- 資格名が似ているため、運営団体を確認せずに申し込む。
比較軸をそろえると、判断理由を説明しやすくなります
選ぶ前に条件を確認することで、料金や印象だけで結論を急ぐことを避けられます。
制度・料金・提供内容は更新されます
本記事の数値・制度情報は記載の確認日時点のものです。申込前に各公式ページで最新情報をご確認ください。
よくある質問
運営団体が異なる別制度のため、公式な序列はありません。対象者(士業原則か、金融機関等含むか)・講座形式・費用で自分に合う方を選んでください。
なりません。税務相談は税理士の独占業務です。資格は支援の体系知識の証明であり、独占業務の資格ではありません。
後継者教育としては、入門のベーシック(5,500円)が費用対効果の高い出発点です。ただし目的は資格ではなく、承継プロセスの全体理解に置いてください。
一次資料・参考資料
- 公式情報金融業務2級3級 事業承継・M&Aコース(CBT-Solutions)(1)確認日:2026-08-29
- 公式情報金融業務2級3級 事業承継・M&Aコース(CBT-Solutions)(2)確認日:2026-08-29
- 公式情報日本M&Aセンター M&Aエキスパート認定資格(事業承継シニアエキスパートの位置づけ)確認日:2026-08-29
- 公式情報事業承継協会 資格取得講座確認日:2026-08-29
- 一次資料中小企業庁「中小M&Aガイドライン(第3版)」確認日:2026-08-29
- 一次資料中小企業庁「中小M&A市場の改革に向けた検討会(第4回)」資料2(2026年3月17日)確認日:2026-08-29
更新・訂正履歴
- 初回公開
記載の数値・制度情報は2026-08-29時点で一次資料・公式情報を確認したものです。更新・訂正時はこの履歴に日付と理由を記載します。
読んだ内容を、無料の確認へつなげる
承継系とM&A系、どちらの学習から始めるべきかを20問の無料診断で整理できます。